※この記事は2023年7月10日に執筆され同時点の法令等に基づいています。
※この記事では法令名を次のように記載しています。
法消防法
令消防法施行令
規則消防法施行規則
「消防法」とは建築物などについて防火?消防上必要な規制を定めた法律です。火災の予防?警戒?鎮圧や災害等による傷病者の搬送を適切に行うことを目的としています。
消防法が適用されるのは「防火対象物」および「消防対象物」です。
建築物は防火対象物と消防対象物の両方に該当します。したがって全ての建築物には消防法の規制が適用されます。
消防法に関連する主な法令としては以下の例が挙げられます。
消防法では建築物に関して多岐にわたる規制が設けられています。
建築物を管理する企業は特に以下の各規制にご留意ください。
一定規模以上の防火対象物の管理権原を有する者は以下のとおり防火管理者などを設置する義務を負います。
指定数量以上の危険物は貯蔵所以外の場所でこれを貯蔵しまたは製造所?貯蔵所?取扱所以外の場所でこれを取り扱ってはなりません法10条1項。また危険物の貯蔵または取り扱いは危険物の規制に関する政令で規定される技術上の基準に従って行う必要があります同条3項。
危険物に該当するものおよび対応する指定数量は消防法別表第一および危険物の規制に関する政令に規定されています。
一部の防火対象物については消防用設備等=消防の用に供する設備消防用水および消火活動上必要な施設を整備した上で6か月ごとの「機器点検」と1年ごとの「総合点検」を行う必要があります。
消防用設備等を整備すべき防火対象物としては以下の例が挙げられます法17条1項令6条?別表第一。
消防用設備等を整備すべき防火対象物においては以下の消火設備?警報設備?避難設備を整備する必要があります法17条1項令7条。
ただし上記の消防用設備等と同等以上の性能を有する特殊消防用設備等として総務大臣の認定を受けたものを用いることも可能です法17条3項。
消防用設備等を整備すべき防火対象物については規模なものなど一部を除いて所有者?管理者?占有者=関係者が有資格者に定期点検を行わせなければなりません法17条の3の3規則31条の6。
定期点検には「機器点検」と「総合点検」の2種類があります。
消防用設備等の点検結果は消防長または消防署長に報告しなければなりません法17条の3の3。
特定防火対象物については1年に1回非特定防火対象物については3年に1回消防長または消防署長に報告書を提出する必要があります規則31条の6第3項。
消防用設備等の整備や建築物の安全性などについて消防法に違反する状態が生じている場合には消防庁による行政指導指導?勧告?助言?警告などが行われることがあります。
また火災等の危険性が高い状態が生じている場合や建築物の管理者等が行政指導に従わない場合などには法的拘束力のある行政処分措置命令が行われる可能性もあります。
消防庁の措置命令に違反した場合以下の罰則刑事罰の対象となり得るので注意が必要です。